日本では「和」が大切にされます。家庭、学校、会社、どういった集団であろうと、一人の欲望よりも全体のまとまりを重視します。
例えば仕事の打ち上げを企画した時。参加者に希望日を聞いて、返事を見ながら最適な日時を決定し、リクエストを聞きながらお店をチョイスし、出来るだけ多くの人の要望に添った形で実現しようと努力する。理想的な幹事役ですね。
でも、中にはそうした調和を乱す人がいます。意見を募って決定された日時に異議を唱え、他の日を希望します。和食がいい、お酒が飲みたい、メニュー豊富な店がいい、そんな意見をすくい上げて、たくさんのお店候補から選んだお店に、ケチをつけます。
腹立たしいですね。せっかくまとまりかけていた「和」を乱すなんて、許せません。「じゃあいいわよ、好きにしなさいよ、でも私は知らないからね」とそっぽを向いたら。
なぜか参加者の希望日と違う日でも、ちゃんと皆は集まっています。なぜか要望をバッサリ切り捨てたお店でも、誰も不満は言いません。
むしろみんな楽しんでいます。
悔しいですよね。せっかく喜んでもらおうと一生懸命に考えていたプランが頓挫して、いい加減なプランに決まったのに、それを楽しんでいるのだから。
なぜでしょうか。どうしてなんでしょうか。
ひょっとしたら、みんなが満足するように、みんなの意見を吸収できるように、そうやって全体ばかりを気にしていた為に、面白みがなくなったり、質が低下していたのかも知れません。
多くの人に賛同されると言う事は、当たり障りがないと言う事です。平凡でありきたりで、だから文句もないけれど積極的な賛意もない。
和に慣れている人々は、そうした無個性に飽きてしまったのかも知れませんね。
今週、貴方が誰かと意見が対立したり、理解できないと思う事があったりした時には、まず冷静になって下さい。今までと違う方法であったり、異なる視点であるからと言って、それだけで頭ごなしに否定しないで下さい。そうして、そのものの本質を見つめましょう。
カード:ペンタクルのクイーン、ワンドのナイト(R)、女帝(R)
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