「西遊記」という小説の中で、孫悟空はお釈迦様と勝負をします。釈迦の手の平から飛び出せるかと持ちかけられた孫悟空は、世界の果てまで飛んでみせると飛び出していきます。
しかし、そうして辿り着いた世界の果ては、実はお釈迦様の五本の指でした。それを知った孫悟空は悔しがり飛び出そうとしましたが、そのまま封印されてしまいます。その後、三蔵法師と出会って長い旅が始まります。
さて、孫悟空はお釈迦様との勝負に負けてしまいましたが、なぜ負けたのでしょうね。
彼はお釈迦様の指を世界の果てだと信じました。それはお釈迦様の手の平の大きさを知らなかったからでしょう。そして自分の小ささを知らなかったからでしょうね。
もし彼が自分の実力を知り、相手の実力を知っていれば、結果は変わったかも知れません。これは他の事にも言えるでしょうね。己を知り、相手を知る事。それは何事に置いても大切ですね。
でも、それをしたくない事もあるでしょう。例えば相手が反発している対象だった場合。例えば相手が嫌いな人物だった場合。
そうした複雑な感情を抱えている場合、相手の力を認める事が自分の負けに繋がるようで、素直に認めたくない事もあるでしょうね。相手を直視するのも、考えるのも、それに時間を割く事が嫌だ。そんな風に感情的になってしまう事もあるでしょう。
けれど、そうやって感情に任せてしまったら、孫悟空と同じになってしまいます。感情と理性を切り離し、認めるべき事は認め、判断すべき事は冷えた頭で判断する。それが道を切り開くコツですよ。
カード:法王、ワンドのナイト(R)、ワンドの4(R)
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