貴方は今まで、どんな「約束」を交わしてきましたか?短くはない人生の中で、たくさんの約束を交わしてきたでしょうね。友達と遊ぶ約束、勉強をする約束、プレゼントをする約束などなど、数え切れないほどの約束を交わした事でしょう。
その中には、果たせなかった約束もあるのではないでしょうか。
例えば小さな子供だった頃に、「大きくなったら結婚しようね」と幼なじみと交わした他愛ない約束。例えば「卒業しても、ずっと仲良くしようね」と同窓生と交わした友情の約束。
そうした遠い未来に対する約束は、時間の経過と共に変化してしまう事があります。
これは裏切る、と言うのとは違うと思います。その約束を交わした当時は本気だったのでしょう。純粋でひたむきな気持ちで交わしたのでしょう。この気持ちは一生変わらない、そう信じていたかも知れません。
けれど時の移ろいと共に人は変わっていきます。年を経て成長し、考え方も変化していきます。それに連れて遠い日の約束は思い出の中に沈み、記憶は淡くなっていきます。代わりに追憶として、美しく飾られていきます。
それが現実に引き出された時、どうなるでしょうか。思い出の美しさと現実の無味乾燥さ、その差異に失望する事があるかも知れません。
むかし親しかった友達と、数年ぶりに会ってみるとギクシャクして楽しめない。むかし大好きだった人と再会してみると、年を取ってすっかり変わってしまっていた。そんな風に埋めきれない空白を感じる事があるかも知れません。
過度に期待するのは辞めましょう。貴方がごく普通に時間を過ごしてきたように、他の人も同じように時間を過ごしてきました。輝かしかった時間をそのまま維持する事は、不可能なのです。
でも、どうか失望しないで下さい。過去と現実を重ねるのではなく、過去を懐かしみましょう。そしてお互いに健勝であった事を喜びましょう。
カード:ワンドのナイト、ペンタクルの7、カップの4(R)
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