人間というものは基本的に、自分が正しいと信じているものです。そして、自分は正しい事を言っているのだから、自説は支持されるものだと信じています。
例えば順番待ちをしている時に横から割り込まれた時、「それはいけない行為だ」と思うでしょう。だから「みな並んでいるのだから、ちゃんと並んで下さい」と注意したとしましょう。
ところが他の順番待ちの人々が「一人くらいいいじゃない」と言い出したらどうでしょうか。予想外の反応に驚いてしまうのではないでしょうか。
しかし、こうした事は世の中にたくさんあります。同じものを見ていても、自分が感じた事と人が感じた事は違います。そして得てして経験の少ない人は熱くなりやすく、経験の多い人は冷めている事が多いものです。
いきり立って不満をぶちまけたら、「世の中なんてそんなもの」と軽くいなされてしまったり、断固として意見を主張したら、「君は若いね」と目を細めて、さも何もかもわかっている風に頷かれてしまったり。
そんな時、一意見をやんわり否定された事が、まるで自分の全人格を否定されたような気持ちになって、ムキになってしまう事もあるでしょう。
そして「この人はわかっているつもりだろうけど、本当は何も分かっていない。キチンと情報が伝わっていない」と説明を重ねてしまう事もあるでしょう。
でもそんな時は、もっと熱くなるのではなく、冷静になって下さい。貴方にとっては衝撃であったり、新しい経験であったとしても、それらをすでに幾度となく経験してきた人にとっては、些細な事に見えてしまうのです。
だから意地になって反発するのではなく、相手の話をよく聞いてみましょう。同じ道を歩んできた先達だからこそ気づける、良きヒントが得られるかも知れませんよ。
カード:ペンタクルの10、ワンドの5、ペンタクルのキング
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