映画や小説、ドラマの世界では常にドラマティックに物事は進行します。主人公を襲う数々の困難を、びっくりするような手段で切り抜けます。
時にはあまりに絵空事過ぎて失笑してしまう事もあるでしょう。「幾ら作り話でも無理がある」とツッコンでしまうストーリー展開もあります。
そうしたツッコミを入れないストーリーも、やっぱり嘘のお話しです。視聴者には「本当っぽく」見えていても、事実をベースにしたお伽噺です。
現実は往々にして地味で面白みがありません。盛り上がりもないし淡々と進行します。それは、ドラマがないと言う事ではありません。現実の中のドラマは、全て効率化されていて作業の手順が決まっています。人は黙々と作業をこなしていきます。
しかし、それでは映像になりませんよね?例え現実がそうであっても、もっと見る人を惹き付けてハラハラさせるドラマが必要になります。だから現実と違っていても、お話しの中ではドキドキワクワクのストーリーが展開されます。
そう、スリル満点のドラマはお話しの中の出来事です。それを現実に持ち込む事は出来ません。持ち込めば、逆に混乱が起きるでしょう。
例えば恋愛ドラマを考えてみましょう。何度もすれ違いを起こして、ライバルに邪魔をされ、周りからも反対されて、別れの危機を向かえるカップル。
見ている人達は共感して涙するでしょう。大恋愛をロマンティックに感じるでしょう。
けれど、そんな恋愛を望みますか?いつでも二人で一緒に仲良く過ごせる、そうした恋愛を望むのではないでしょうか。
作り事を楽しめるのは、それがお話しの中だからです。結末のお約束を期待しているからです。
現実はそうではありません。一歩先がどうなるのか、誰にもわかりません。だからドラマは必要ありません。生きている、その事が壮大なドラマなのですから。
今月、スリルを求めないで下さい。自分から危険に飛び込まないで下さい。そんな事をしなくても、貴方の人生は十分に充実しているはずです。
キーワード:ソードの7、ワンドの2(R)、死神(R)
結果 :ソードのエース(R)
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