平穏であると言うことは、言い換えれば退屈であると言う事です。安定していると言う事は、言い換えれば刺激がないと言う事です。人と言うのは難しい生き物ですね。刺激にまみれている時には、ホッと一息つけるような安息を求めます。
けれど安息を手に入れて体を癒した暁には、変化のない安定に苛立ちを覚えます。そうして平穏を捨て、先のわからない人生へと旅立ちます。
その、繰り返しです。手に入れて満足し、その満足に対し不満を覚える。その不満を解消する為に満足を手に入れる。まるで終わることなくグルグル回る回転木馬のようですね。
これを不毛だと思いますか?同じ事を繰り返している無意味な行為だと思いますか?
私はそうは思いません。手に入れる刺激はその都度異なるし、安らぐ場所はその都度変わるからです。いわば走り続ける列車と駅の関係でしょう。
列車は走り続けます。先へ先へと。その先に、何があるかはわかりません。ひょっとしたら、ずっと走り続けるのかも知れません。終わりはないのかも知れません。でもだからと言って、走り続ける事が無駄とは言えませんよね?
車窓から見える風景は、場所ごとに異なるでしょう。乗り合わせる人々も変わるでしょう。一時の停車駅は豊かな情緒に富んでいるでしょう。
途中で、走るのを列車もあるかも知れません。停車駅を気に入り、そこで永遠に止まる事もあるでしょう。通り過ぎた駅が忘れられず、引き返していく事もあるでしょう。それは、人それぞれです。
さて、今月の貴方は走りたいと思っているようです。でも走り出す事にためらいも感じています。走りたいのならば、どうぞ前に進んでください。貴方の行く先にレールは敷かれます。目的地を決める事が出来るのは、貴方だけなのですから。
キーワード:ワンドの2、カップの10、愚者(R)
結果 :カップのキング(R)
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