イソップ物語の中に、「金の斧銀の斧」というお話しがあります。ある日、木こりが泉の中へ斧を落としてしまいます。すると泉の女神が出てきて、木こりに尋ねます。
貴方が落としたのは金の斧?銀の斧?木こりは答えます。いいえ、私が落としたのは古い鉄の斧です。正直な木こりに打たれた女神は、木こりに斧を返すだけでなく、金の斧と銀の斧も差し出しました。
その話を聞きつけた木こり仲間は、同じように泉に斧を投げ込みます。同じように表れた女神に対し、金の斧が自分の斧だと主張します。この嘘に怒った女神は、金の斧も銀の斧も与えず、落とした斧も取り上げてしまいます。
これは「正直者が得をする」と言う、典型的な教訓話ですね。嘘をついてもバレる、そしてその嘘の報いを受ける。だから嘘を付いてはいけない。
さて、でもどうなのでしょうか?報いを受けるから、嘘を付いては行けないのですか?バレるから嘘を付いてはいけないのですか?
そうではないでしょうね。どんな罰がなくても、永遠に隠されたままだとしても、自分自身が嘘を付いている事を知っています。それは鎖となって自らを縛るでしょう。重しとなってのしかかるでしょう。
例えば、嘘つきの木こりがまんまと女神から金の斧と銀の斧をせしめたらどうなっていたでしょうか?彼は幸せになったでしょうか?
ひょっとしたら、いつ天罰を受けるかビクビクしながら人生を過ごす事になったかも知れません。慣れない富みに舞い上がり、散財してしまったかも知れません。
そんな風に、自分が自分でなくなるから、嘘を付いてはいけないのでしょう。
今月、貴方も人から問われる事があるでしょう。その時にはどうぞ正直になって下さい。胸を張って、ありのままの貴方でいましょう。
キーワード:女司祭長、ソードの7(R)、太陽(R)
結果 :ワンドの6
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